2011年9月9日金曜日

2011年G17ノルウェーツアー3 : 7/26 Ula Store Vol.1

 ツアー2日目は、Ottaから車で約1時間、標高1100mRondane国立公園内にあるUla Store川上流へ。


 リフは昨日左母指を突き指してしまったようで、痛みと腫れがひどく、本日休養。まだ残り4日あるので大事を取るそうです。というわけで、今日はアナとわたしの2人だけ。イントラは、ヤコブとスピロス。

 Ottaの町から一山越えて、さらに山道を走ると有料 ゲートが出現。これを通過して小道を進むと、丘の中の駐車場に到着。森林限界を超えているのか、この辺り、木々は見当たらず。トレッキング姿の人々やサイクリングの人達が準備を整えて、三々五々出発していきます。カヤックはわれわれの他に見当たりません。




  ってあの~、そもそも川が見当たらないんですけど??? 


 
 G17ノルウェーツアー常連、アナの後について、てくてく300mほど歩くと、やや低い谷状の場所に、見えてきました、川が!



 これは…。ノルウェー特有なのでしょうか?岩盤状で周りに全く木が無い。ちょっと日本では見たことの無い風景。

 曲がりくねった岩盤の川、といいえば、福島、裏磐梯の中津川を思い浮かべますが、あそこは岩盤でも曲線的、緑濃い森の中にひっそり流れていました。この川を形成している地形は、直線的な印象。板を重ねたような。川の周りには何もなく、視界が開けているし。まるっきり雰囲気が違います。

 スタートは、かなりタイトでアンダーカットなドロップでテクニカル。ていうか、物理的に通れないか?もちろん、プットインはその下から。




 まずは、約200m下り、1番目の練習ポイントへ。小ドロップでブーフの練習。ここは担ぎ上がって、繰り返し練習します。
ブーフ練習ポイント
 
最初のドロップでブーフ練習 スピロスデモ


 ヤコブ先生のアドバイスは、「後傾にしない」、「漕ぎ続ける」、「腕とパドルで作る三角の窓から見る」。最後のが意味不明でしたが、引くのではなく体幹ローテートしろって意味?「後ろ荷重は意識しないで、とにかく踏み切りの前も後も漕ぎ続けるように」、と言われました。


最初のドロップ アナ


 ここ、ドロップを跳んで着水した先にもまたホールやウエーブがあり、なかなか落ち着いて練習できません。アナの話だと、普段の水量ならホールなどなく、着水後は簡単に左岸に寄ってすぐ上陸できるそうですが。いかんせん水量が多いようで。今日は左岸のだいぶ下まで行かないとエディに入れません。


 担ぎ上がりの距離が長いので、数回で終了。うーん、消化不良。7月連休のclass5ブーフ講習@水上にも参加しましたが、まだ全然思うようにバウが上げられません。ブーフ習得の道、険し。


 2番目のスポットは、プチドロップが連続する瀬。

 右端をブーフして真っ直ぐ行くラインと、右からセンターにブーフしてセンターから右に抜けるラインと、左ラインと、3つのルートあり。

 上手なのに慎重派のアナは、なんとポーテージ。何度もここに来ているアナが担ぐって、やはり今回は尋常じゃなく水が多いってこと?
 水量が多いので、ホールにつかまって巻かれたとしても、逆にケガするような気配は無さそう。なので、わたしはセンターラインで行ってみることに。


2番目のドロップ スピロス 右ライン

2番目のドロップ ヤコブ 左ライン
2番目のドロップ 自分 中央ライン

 中央1つめのホールは突破したけれど、2つめホールで漕ぐ手が止まってしまい、スターンが捕まり、スターンカット→沈。ホールに巻かれはしなかったけれど…。初めての川、初めての瀬で眼前に白い壁が立ちはだかっていると、思わず竦んで手が止まってしまいます。前が見えなくたって前傾で漕ぎ抜けるしかない!って頭では分かってるんですけど。 


 "Keep paddling! Paddle! PaddlePaddle" と、下で待ち受けていたヤコブ。「漕いで!漕いで!漕いで!」ってことかしら?洋の東西を問わず、イントラさんって同じこと言いますねー。


 3番目のスポットはスライド。これぞノルウェー名物?!今は、水量が多いので、滝のように見えます。
左岸から見て
エントリー位置から見下ろすと、こんな風
遠景
  ルートは左端ですが、前半浅瀬は軽くパドルを突いてバランス取りながら、後半はしっかり漕いで(通常水量ならスターンラダーでバランスとるところ)、そして最後は左のエディに入るように指示されます。


 アナはここもポーテージ。えーっ?いつもはやってるらしいのに、水量が多いのと、ブランクがある(今年初漕ぎ)のとで、無理はしない。オトナですね。

 先程の失敗を踏まえてか、ヤコブから、とにかく"Lean forward"とのアドバイスをもらいます。

 アナにカメラを渡して撮影をお願い。

 ヤコブと2人同時にスタート。先行するヤコブのすぐ後を、同じラインでついていきます。
 スライドに突入する手前のホールがやらしいな、と思ったら、沈!あああっ!わたしに限って、ありがちな…。
 すかさずロールで起きると、もうすぐスライドの入口。
 しっかり艇の真ん中に乗って、軽くパドルを突いてバランスとって、パドルが入る深さになったら、右壁の方に寄せられないよう、バウを左向けて、がっつり漕いで漕いで、左のエディへ…、と考えてはいたんですけども。バランス崩しかけて、こらえるのに精一杯でした。


 「見ていて怖かった~。」とカメラを渡されながら、アナに言われました。よく言われます。自分では見えないから、そうでもないんですけどね。

スライド 自分とヤコブ

スライド スピロスデモ

 スライドが終わった後、すぐ左岸から上陸。
 ポーテージ?
 先を行くアナを追って歩いていくと、前方に滝がーーー!!!高いーーーー!  




 あのまま200m漕ぎ続けてたら、もしくはスライドで沈してロール5,6回上がらなかったら、ここに突入してるんじゃないの?!うひゃー。

 これは、Bruresløret滝。ドイツ人Matze Brustmannがちょうど1年前にファーストディセントしてます。 カッコイイ!!!  (First descent of the Bruresløret waterfall by Matze Brustmann
 彼が行ったのは右側。左側はまだファーストディセントのチャンス残ってますよ。



 本日は、主に3カ所のスポット練習のみで終了。通常水量ならダウンリバーできるらしいのですが。
 滝下から1人で下って様子を見てきたヤコブが戻ってきて言うには、"All of eddies are under the water." …だそうです。残念!
 まあ、ここまでの区間でも艇12杯分のエディが所々にある位で、そんなエディを取り損ねたり、沈や脱しようものならおおごとになりそうな気配が十分感じられました。水位が下がらないと無理ですね。


 国立公園のため、車が入れる区間が厳しく制限されているよう。滝から駐車場まで20-30分艇を担いで戻りました。
 この日はずっと曇り時々雨。太陽が見えず、少し寒かったです。水はそれほど冷たくはないのですが、標高も高かったので。風が無くて幸いでした。




 割と早めに上がったので、宿舎に戻ってのんびりしました。
 女子3人とリフが連れて来たネコ2匹が一部屋で暮らす共同生活。女子寮のようです。
Team Burnに乾杯!

タイガーはわたしのベッドでまったり


 物静かなアナはよく本を読んで過ごしてます。


 エネルギーの塊のような活発でパワフルなリフは、英語が堪能で、いろんな話をしてくれます。特に、日本から来て、ノルウェー初めてのわたしに、ノルウェーのことを色々教えてくれます。




アナの膝の上がお気に入り
 アナとわたしはあまり英語が得意ではないので、リフほどしゃべれませんが(多分性格的にもリフほどしゃべらない)、ことカヤックの話題になると、ツーカーで盛り上がれます。 

 リフもアナもどうやら30代半ばから後半。独身。リフは獣医さん。アナはオペラや演劇の衣装の縫製、製作が仕事。アナはここ23年御両親が次々病気で倒れ、看護でカヤックどころではなかったとか。


それは、くつろぎすぎだから!


  それぞれ、仕事、キャリアや家族の介護などで何かと大変な年頃。共感できる部分多々あり。ガールズトークもあり。

今回のツアーでは、クラスメートに恵まれ、川以外でも楽しく寛いで過ごすことができて、最高でした。
 夕食は、宿舎の食堂でチキンの丸焼きとサーモンの丸焼きでした。おいしかった!! 
 



2 件のコメント:

  1. 南極3号、忙しいのに記録を残してくれてありがとうございます。G17のツアーもノルウェーも、絶対参加したくなるような説得力のあるログですね。ありがとうございます!

    返信削除
  2. Actonさんのオススメにより、
    playboatingに向けての第一歩です。
    1日分書くだけで結構疲れます。そういう強制力がないときっと書かなかったでしょう。
    これ見て実際G17ツアーに行ってくれる人が他に出てくるとうれしいですね。

    返信削除